デザイナー外注の完全ガイド|料金相場・依頼先の選び方・失敗しないコツまで徹底解説
2025.11.17
企業の顔となるWebサイトや、商品の売上を左右する広告バナーなど、ビジネスにおけるデザインの重要性は年々高まっています。
しかし、「社内にデザイナーがいない」「デザインに割けるリソースが不足している」といった課題を抱える企業も少なくありません。
そんなときに有力な選択肢となるのが「デザイナーへの外注」です。
本記事では、デザイナー外注を検討しているご担当者様に向けて、依頼できる業務内容や料金相場、信頼できる依頼先の選び方、そして外注で失敗しないためのポイントまで、わかりやすく解説します。
目次
デザイナー外注、こんな悩みはありませんか?
デザイナーの外注を検討し始めたとき、多くの担当者様が期待と同時に、さまざまな不安や疑問を抱えるのではないでしょうか。
- 「そもそも、どこに依頼すればいいのか分からない」
- 「費用の目安が分からず、予算感がつかめない」
- 「イメージ通りのものが仕上がるか不安」
- 「専門知識がないので、うまく指示できるか心配」
もし、これらのうち一つでも当てはまるなら、この記事がお役に立てるはずです。外注先の種類や特徴、料金相場、依頼の進め方を正しく理解することで、こうした不安は解消できます。
ひとつひとつ知識を整理しながら、自信を持って最適なデザインパートナーを見つけましょう。
デザイナーに外注できる業務とは?
デザイナーと一括りにいっても、その専門領域は多岐にわたります。外注を検討する際は、まず何を依頼したいのかを明確にすることが重要です。
ここでは、多くの企業がデザイナーに外注する代表的な業務内容を紹介します。
Webサイト・LP(ランディングページ)制作
企業の顔となるコーポレートサイトや、商品・サービスの魅力を伝えコンバージョンへと導くランディングページ(LP)の制作は、外注依頼の多い業務の一つです。デザインの美しさはもちろん、ユーザーが使いやすく、ビジネス目標を達成するための設計が求められます。
UI/UXデザイン
Webサイトやアプリケーションの「使いやすさ」を設計するUI(ユーザーインターフェース)デザインと、サービス全体を通してユーザーが快適な「体験」を得られるように設計するUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインも専門的なスキルが必要です。ユーザー満足度を向上させ、サービスの継続利用を促すために非常に重要な要素となります。
バナー・広告画像制作
Web広告やSNSキャンペーンで使用するバナーや画像の制作も、頻繁に発生するデザイン業務です。限られたスペースの中で、瞬時にユーザーの目を引き、クリックしたくなるような訴求力の高いデザインが求められます。
ロゴ・名刺・パンフレット制作
企業のブランドイメージを象徴するロゴや、会社の顔となる名刺、製品やサービスを紹介するパンフレットなどのグラフィックデザインも、外注の主要な対象です。これらは企業のブランディングの根幹をなすため、専門デザイナーに依頼する価値は高いといえます。
| 依頼業務の例 | 主な目的 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| Webサイト制作 | ブランディング、情報提供、問い合わせ獲得 | Webデザイン、コーディング、UI/UX設計 |
| LP(ランディングページ)制作 | 商品・サービスの販売促進、見込み客獲得 | マーケティング視点、コピーライティング、デザイン |
| ロゴデザイン | 企業・ブランドのアイデンティティ確立 | ブランディング知識、グラフィックデザイン |
| 広告バナー制作 | クリック率向上、認知度拡大 | 訴求力の高いデザイン、各媒体(SNS・Web広告など)の知識 |
デザイナー外注の依頼先4選|特徴と比較
デザイナーに外注することを決めたら、次に考えるべきは「誰に依頼するか」です。
外注先には主に、「デザイン制作会社」「フリーランスデザイナー」「クラウドソーシング」「人材紹介・エージェントサービス」の4つの選択肢があります。
それぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがあるため、自社の目的や予算、求めるクオリティに応じて、最適な依頼先を見極めることが大切です。
デザイン制作会社
デザイン制作を専門に行う会社です。
デザイナーだけでなく、ディレクターやエンジニアなど各分野の専門家が在籍していることが多く、企画から制作、運用まで一貫して任せられるのが強みです。大規模なプロジェクトや、高いクオリティが求められる場合に適しています。
フリーランスデザイナー
特定の組織に属さず、個人で活動しているデザイナーです。
特定の分野に高い専門性を持っていたり、柔軟な対応が期待できたりする点が魅力です。制作会社に比べて費用を抑えられる傾向にありますが、スキルや経験は個人差が大きいため、見極めが重要になります。
クラウドソーシング
インターネット上で仕事を発注したい企業と、仕事を受けたい個人を繋ぐプラットフォームです。
コンペ形式で多くのデザイン案から選んだり、特定のデザイナーに直接依頼したりできます。比較的安価に依頼できるのが大きなメリットですが、品質やコミュニケーションにはばらつきが見られます。
人材紹介・エージェントサービス
企業とデザイナーを仲介してくれるサービスです。
企業の要望をヒアリングし、スキルや実績がマッチする最適なデザイナーを紹介してくれます。依頼先を探す手間を省ける一方で、仲介手数料が発生します。
【比較表】デザイナーの外注先ごとのメリット・デメリット
4つの依頼先の特徴を、メリット・デメリットの観点から表にまとめました。
この表を参考に、自社の状況に最も合う依頼先はどれか検討してみてください。
| 依頼先 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| デザイン制作会社 | ・品質が安定している ・対応領域が広く、一貫して任せられる ・ディレクターが進行管理してくれる |
・費用が高額になりやすい ・手続きや意思決定に時間がかかることがある ・個別のデザイナーを指名できない場合がある |
| フリーランスデザイナー | ・制作会社より費用を抑えやすい ・直接やり取りするためスピーディー ・柔軟な対応が期待できる |
・スキルや実績に個人差が大きい ・活動停止や連絡が取れなくなる可能性がある ・一人で対応できる業務範囲に限界がある |
| クラウドソーシング | ・費用が安い ・多くのデザイナーから提案を受けられる ・手軽に発注できる |
・品質にばらつきがある ・コミュニケーションが難しい場合がある ・高度なスキルを要する依頼には不向きなことも |
| 人材紹介・エージェント | ・自社に合う人材を探す手間が省ける ・ミスマッチが起こりにくい ・契約周りのサポートがある |
・仲介手数料が発生する ・紹介される人材がサービス登録者に限られる |
デザイナー外注の料金相場は?依頼内容別に解説
外注を検討する際に、特に気になるのが「費用」ではないでしょうか。デザインの料金は、依頼する内容やデザイナーのスキル・実績、制作物のボリュームによって大きく変動します。
ここでは、依頼内容ごとのおおよその料金相場をご紹介します。
Webサイト制作の料金相場
Webサイト制作の費用は、ページ数や搭載する機能の複雑さによって大きく異なります。
デザインのみを依頼するのか、コーディングまで含めて依頼するのかでも料金は変わります。一般的に、小規模なサイトであれば30万円程度から、ECサイトや多機能なサイトになると100万円以上になることも珍しくありません。
ロゴデザインの料金相場
企業の顔となるロゴデザインの相場は、2万円から20万円以上と幅広いです。
クラウドソーシングなどで比較的安価に依頼することも可能ですが、実績豊富な制作会社や著名なデザイナーに依頼する場合は、相応の費用がかかることがあります。提案されるデザイン案の数や、修正回数によっても料金は変動します。
チラシ・パンフレットの料金相場
A4片面のチラシデザインであれば、5,000円から60,000円程度が相場です。
パンフレットの場合はページ数や構成の複雑さによって変動し、数万円から数十万円かかることもあります。印刷費用は別途必要になるケースがほとんどです。
信頼できる外注デザイナーの探し方5選
自社に合った依頼先の種類を決めたら、次はいよいよ具体的なデザイナーや会社を探すフェーズです。
ここでは、信頼できるパートナーを見つけるための代表的な探し方を5つ紹介します。
制作会社やサービスの公式サイトから探す
気になる制作会社やエージェントサービスがあれば、まずは公式サイトを確認しましょう。制作実績や得意な分野、料金体系、過去の取引先などが掲載されています。問い合わせフォームから直接コンタクトを取ることができます。
クラウドソーシングサイトで探す
クラウドワークスやランサーズといった大手クラウドソーシングサイトには、数多くのフリーランスデザイナーが登録しています。 デザイナー個人のプロフィールページで実績や評価を確認できるため、比較検討しやすいのが特徴です。
SNSで探す
X(旧Twitter)やInstagram、BehanceといったSNSは、デザイナーが自身の作品(ポートフォリオ)を発信している場でもあります。ハッシュタグ検索などを活用して好みのテイストのデザイナーを見つけ、DMなどで直接コンタクトを取る方法です。
知人や取引先からの紹介
同業種の知人や、付き合いのある取引先に、信頼できるデザイナーや制作会社を紹介してもらう方法です。すでに第三者からの評価があるため、ミスマッチが起こりにくく、安心して依頼しやすいという大きなメリットがあります。
ポートフォリオサイトで探す
デザイナー個人のポートフォリオサイトや、様々なクリエイターの作品がまとめられたプラットフォーム(例: Behance, Dribbble)から探す方法です。デザインのクオリティを直接確認できるため、実力重視で探したい場合に有効です。
デザイナー外注で失敗しないための7つのポイント
せっかく外注しても「イメージと違うものができた」「予算を大幅に超えてしまった」といった失敗は避けたいものです。ここでは、外注を成功に導くための重要なポイントを7つに絞って解説します。
依頼したい業務内容と目的を明確にする
まず、「誰に」「何を」「なぜ」作ってほしいのかを具体的に整理しましょう。
「おしゃれなサイト」などの抽象的な表現ではなく、「20代女性をターゲットに、新商品の認知度を上げるためのLPを制作したい」というように、目的やターゲットを明確に伝えることが、精度の高い成果物に繋がります。
ポートフォリオで実績やデザインのテイストを確認する
依頼を検討しているデザイナーや制作会社が、過去にどのような制作物を手がけてきたか、必ずポートフォリオで確認しましょう。デザインのクオリティはもちろん、自社のイメージや作りたいものの方向性と、デザイナーの得意なテイストが合っているかを見極めることが重要です。
コミュニケーションの相性を確認する
制作は依頼して終わりではなく、担当者とデザイナーが協力して進めていく共同作業です。問い合わせへの返信の速さや丁寧さ、こちらの意図を汲み取ってくれるかなど、契約前のやり取りを通じて、円滑にコミュニケーションが取れる相手かどうかを確認しましょう。
見積もりの内容を詳細に確認する
見積もりを取る際は、総額だけでなく、どの作業にどれくらいの費用がかかるのか、内訳を詳細に確認することが大切です。修正回数の上限や、追加料金が発生するケースなども事前に明確にしておくことで、後々のトラブルを防げます。
契約書を必ず締結する
口約束だけでなく、必ず業務委託契約書を締結しましょう。業務内容、納期、報酬、修正の範囲、著作権の帰属といった項目を明記することで、双方の認識を合わせ、万が一のトラブルから身を守ることができます。
丸投げせず、フィードバックをしっかり行う
外注は「丸投げ」ではありません。制作の過程で、デザイナーから提出されたデザイン案に対して、具体的で建設的なフィードバックを行うことが、最終的なクオリティを高める鍵となります。良い点と改善してほしい点を、理由とともに伝えましょう。
修正回数や範囲のルールを決めておく
デザインの修正はつきものですが、無制限に対応を求めるとプロジェクトが遅延し、追加費用が発生する原因になります。「修正は2回まで無料」「大幅なデザイン変更は別途見積もり」など、修正に関するルールを契約前に決めておくことが、円滑な進行に繋がります。
デザイナー外注の依頼から納品までの流れ
最後に、実際にデザイナーに仕事を依頼してから納品されるまでの一般的な流れを解説します。
このフローを頭に入れておくと、今どの段階にいるのかを把握でき、スムーズにプロジェクトを進めることができます。
手順1: 問い合わせ・ヒアリング
依頼したいデザイナーや制作会社に連絡を取り、まずは相談します。
この段階で、作りたいものの概要や目的、予算、納期などを伝え、対応可能かどうかを確認します。
手順2: 見積もり・契約
ヒアリング内容を基に、デザイナー側から見積もりが提示されます。
内容に納得できれば、契約書を交わして正式に発注となります。
手順3: デザイン制作・確認
契約後、デザイナーはヒアリング内容に沿ってデザイン制作を開始します。
ワイヤーフレーム(設計図)やデザインカンプ(完成見本)といった形で、最初の提案が行われます。
手順4: 修正・調整
提出されたデザイン案に対して発注側はフィードバックを行い、それを基にデザイナーが修正・調整作業を行って完成度を高めていきます。このやり取りを契約で定めた回数だけ繰り返します。
手順5: 納品・支払い
最終的なデザインが完成し、双方が合意したら、データが納品されます。
発注側は納品物を確認後、契約に従って報酬を支払います。これにてプロジェクトは完了です。
まとめ
本記事では、デザイナーへの外注について、依頼先の種類から料金相場、失敗しないためのポイントまで幅広く解説しました。適切なパートナーに依頼すれば、デザインはビジネスを加速させる強力な武器になります。今回の内容を参考に、ぜひ貴社に最適なデザイナーを見つけてください。
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