ITエンジニアに興味はあるけれど、「自分に向いているのかな?」「キャリアアップや収入アップは本当にできるの?」そんな不安を感じていませんか?
現状、ITエンジニアとして働く女性はまだ少数派ですが、近年はリモートワークの普及や女性向けスクールの増加など、活躍の場が広がっています。
この記事では、女性エンジニアが少ない理由やよくある悩みを整理し、さらに女性ならではの強みや活躍できる企業を見つけるためのポイントを詳しく解説します。
ITエンジニアというキャリアに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事を読むと分かること】
- ・女性エンジニアが少ない理由
- ・女性エンジニアの平均年収
- ・女性エンジニアが活躍できる企業を見つけるポイント
目次
女性エンジニアが少ない理由とは?
厚生労働省の「令和6年度雇用均等基本調査」によると、ITエンジニアを含む情報通信業全体で、正社員・正職員に占める女性の割合は29.9%です。
一方、情報サービス産業協会(JISA)の「2023年版情報サービス産業基本統計調査」では、加盟企業305社の回答によると、ITエンジニアの総数203,381人のうち女性は45,945人。女性比率は約22.6%にとどまっています。
この結果から、業界全体と比べてもITエンジニア職では女性比率が20%前後まで低下していることがわかります。
さらに、他業界と比較すると差は顕著です。
たとえば「金融業・保険業」では45.6%、「医療・福祉」では66.4%と女性比率が高く、ITエンジニア職における女性の少なさが際立っています。
女性エンジニアが少ない背景には、情報系学部で男性比率が高いことが影響しています。大学での専攻がそのまま進路に反映される傾向があるため、結果的に女性エンジニアの割合が低くなっていると考えられます。こうした背景から「ITエンジニア=男性」という固定観念が根強く残り、女性が挑戦しづらい環境があるのかもしれません。
しかし近年では、女性向けITスクールの拡大やリモートワークの普及などにより、女性エンジニアの数は少しずつ増加しています。
参考:令和6年度雇用均等基本調査|厚生労働省参考:2023年版情報サービス産業 基本統計調査|一般社団法人 情報サービス産業協会
女性エンジニアの悩み5選と解決策
女性エンジニアはまだ少数派であるため、特有の悩みを抱えやすい傾向があります。具体的にどのような課題があるのでしょうか?
ここでは、女性エンジニアが直面しやすい代表的な悩みと、その解決策を5つのポイントで解説します。
- (1)キャリア継続への不安
- (2)職場環境の課題
- (3)昇進・昇格への疑問
- (4)スキルアップの時間確保問題
- (5)働き方の制約
(1)キャリア継続への不安
結婚や転居による転職、産休・育休など、ライフイベントでキャリアが途切れる可能性があります。特に産休・育休は1年以上現場を離れることもあり、復帰後のポジションや技術面での不安がつきまといます。
解決策:
- ・リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業を選ぶ
- ・女性のキャリア支援に強い転職エージェントや派遣会社を活用
- ・同じ悩みを持つコミュニティに参加し情報交換する
(2)職場環境の課題
女性が少ない職場では、特別扱いされて居心地の悪さを感じたり、技術的な議論に参加しづらいと感じることがあります。
解決策:
- ・小さな質問から会話に参加し、徐々に慣れる
- ・疑問点はその場で質問する勇気を持つ
- ・得意分野を作り、技術力で信頼を得る
(3)昇進・昇格への疑問
管理職の女性比率が低い職場では、昇進や昇格に不安を感じることがあります。努力が報われないとモチベーション低下につながります。
解決策:
- ・評価制度が明確な企業を選ぶ
- ・面接や説明会でキャリアパスや評価基準を確認する
(4)スキルアップの時間確保問題
家事や育児との両立で、学習時間を確保するのが難しいと感じる女性エンジニアは少なくありません。
解決策:
- ・通勤時間や隙間時間を活用し、動画やオンライン教材で効率的に学習
- ・社内研修や資格取得支援制度がある企業を選ぶ
(5)働き方の制約
長時間労働や残業が当たり前の職場では、家庭との両立が難しくなることがあります。リモート環境が整っていない場合も要注意です。
解決策:
- ・残業時間やリモートワーク制度の有無を事前に確認
- ・柔軟な働き方を推進している企業を選ぶ
女性エンジニアの強みとは?
女性エンジニアが持つ視点や考え方は、開発チームにさまざまなプラスの影響を与えます。
ここでは、女性エンジニアならではの強みを3つ紹介します。
- (1)コミュニケーション能力でチームを円滑に
- (2)細部への注意力でバグを防ぐ正確性
- (3)協調性でプロジェクトを成功に導く
それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)コミュニケーション能力でチームを円滑に
女性エンジニアは、コミュニケーション能力を活かしてチームを円滑にする場面が多く見られます。
コミュニケーションや対人スキルは、チーム運営やプロジェクト進行において重要な要素とされており、業務の調整や丁寧なヒアリング、細やかな気配りが可能になることで、相手の意図を正確に理解しやすくなります。
例えば、意見が食い違った際に双方の意図を整理して橋渡しをする、進捗管理やフォローを自然に行うなど、チーム全体の成果に直結する役割を担うことができます。
(2)細部への注意力でバグを防ぐ正確性
女性エンジニアの強みのひとつは、細部への注意力と正確性です。プログラムはわずかなミスで動作しなくなるため、細かい部分まで目を配れる能力は非常に重要です。女性はこうした丁寧さや集中力に優れている傾向があり、バグの早期発見や品質維持に貢献できます。
例えば、コードレビューやテスト工程で小さな不具合を見逃さず、迅速に修正できることは、プロジェクト全体の信頼性を高める大きな強みです。
(3)協調性でプロジェクトを成功に導く
女性エンジニアは、協調性を発揮してチームの調和を保つ力に優れています。IT開発は複数のメンバーが連携するため、コミュニケーションや人間関係のスムーズさが成果に直結します。女性は「関係志向」を持つ方が多く、意見のすり合わせや摩擦の緩和など、チームを円滑に進める役割を担いやすいのです。
例えば、進捗に遅れが出た際にメンバー間の調整を行ったり、上司への報告タイミングを適切に判断したりすることで、プロジェクトを成功に導くことができます。
性別は関係ない?エンジニアに向いている性格とは?
ITエンジニアに向いているかどうかは、性別ではなく性格や適性によって決まります。
ここでは、男女問わずエンジニアに向いている性格・特徴を3つ紹介します。
- (1)問題解決が好きな人
- (2)継続的な学習を楽しめる人
- (3)細かい作業に集中できる人
(1)問題解決が好きな人
ITエンジニアは問題解決に対して、やりがいを感じられる人に向いています。
開発現場では、想定外の不具合が発生することも珍しくありません。こうした状況で冷静に原因を突き止め改善策を考えられる人は、仕事の成果を実感しながら成長していけるでしょう。
例えばエラーの原因を一つひとつ検証し、ようやく解決にたどり着いた時に大きな達成感が得られます。他にもユーザーの困り事を解決した時には、社会貢献に役立ったと実感できるでしょう。
問題解決を成長の機会として楽しめる人は、ITエンジニアが天職といえるかもしれません。
(2)継続的な学習を楽しめる人
ITエンジニアは学び続けることが苦にならない人に向いています。
IT業界は技術の変化が速く、新しいプログラミング言語が出る、フレームワークがアップデートされるなどが日々行われます。学習を止めるとすぐに情報が古くなるため、日常的に学ぶ姿勢が欠かせません。
エンジニアとして長く活躍するには、常に新しい情報を学び、スキルアップを続けることが不可欠です。新しい教材で知識を深めたり、個人的な開発を通じて技術を試したりと、積極的に学ぶ姿勢が求められます。
特に「新しい技術を試すのが楽しい」と感じられる方は、継続的に成長できるでしょう。
(3)細かい作業に集中できる人
ITエンジニアは細かい作業が多く、集中力や忍耐力が欠かせません。
プログラムは1文字のミスで動かなくなることがあり、バグ修正には地道な確認が求められます。またシステム構築はすぐに成果が出ない工程も多く、最後まで粘り強く取り組む姿勢が大切です。
ITエンジニアは専門性が求められる職種ですが、同時に細かい確認や地道な作業も欠かせません。
女性エンジニアの平均月収とは
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、ITエンジニアを含む情報通信業の一般労働者の所定内給与(月額)は、女性が333.8千円(約33.4万円)、男性が412.3千円(約41.2万円)です。
月額差は78.5千円(約7.85万円)で、単純に12か月換算すると約94万円の差となります(賞与等は含まず)。この賃金差には、キャリアの中断や雇用形態の違いなどが影響していると考えられます。
| 産業 | 女性の平均月収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 情報通信業 | 333.8千円 | 37.6歳 |
| 金融業・保険業 | 323.6千円 | 43.6歳 |
| 教育・学習支援業 | 323.5千円 | 41.7歳 |
| 医療・福祉 | 282.1千円 | 43.6歳 |
情報通信業の月収は他産業と比べて高めの水準です。ITエンジニアは専門職であり、スキルを磨くことでさらに高い報酬を得られる可能性があります。
ただし、平均年齢が他産業より低いことから、結婚・出産などライフイベントを機に離職する人が多い可能性があり、家庭との両立の難しさもうかがえます。
女性エンジニアのメリット
女性がITエンジニアを選ぶことにはさまざまなメリットがあり、女性ならではのライフスタイルや考え方に合致する可能性が高いです。
ここからは女性がエンジニア職種を選ぶメリットについて、以下の3点を紹介します。
- (1)リモートワークに対応しやすい
- (2)専門スキルでキャリア形成しやすい
- (3)社会貢献度が高い
1点ずつ詳しく見ていきましょう。
(1)リモートワークに対応しやすい
女性エンジニアの大きなメリットは、リモートワークに対応しやすい職場が多いことです。
ITエンジニアはパソコンとスキルさえあれば、自宅でも業務を進められます。さらにキャリアを積めば、フリーランスとして独立する選択肢もあり、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
ただし、すべての企業でリモートワークが導入されているわけではありません。特に新人時代は出社義務があるケースも多いため、説明会や面接で勤務形態を確認することが重要です。
(2)専門スキルでキャリア形成しやすい
ITエンジニアは専門スキルを軸にキャリアを築ける職種です。システム設計やインフラ構築などの技術は市場価値が高く、経験を積むことで着実にステップアップできます。
最初はシステムの運用・保守から始まり、経験を積むことでシステム設計にステップアップし、次第に顧客対応のポジションへの道が開けるでしょう。さらに専門性を高めると、社内での昇進、ITコンサルタントやフリーランスへのキャリアチェンジも望めます。
IT業界は実力主義の傾向が強いため、スキルを積み上げれば安定した働き方が実現します。
(3)社会貢献度が高い
ITエンジニアは社会貢献度が高く、仕事へのモチベーションを大切にしたい方に適しています。システム開発、インフラ構築、セキュリティ対策などは世の中に欠かせない仕事で、役に立っている実感が得られるでしょう。
具体的には、銀行のシステム構築や医療機器の効率化、学習サービスの開発など幅広い分野で活躍しています。昨今ではあらゆる分野でITが不可欠となっていて、ITエンジニアはより重要とされています。
「人の役に立つ仕事がしたい」「社会に貢献したい」という女性にとって、ITエンジニアは長期的なキャリア形成に最適な職種です。
女性エンジニアが活躍できる企業を見つける5つのチェックポイント
女性エンジニアが長く活躍するためには、ライフスタイルやキャリアの希望に合った職場選びが欠かせません。企業によって働きやすさは大きく異なるため、事前にチェックしておくことが重要です。
ここでは、女性エンジニアが安心してキャリアを築ける企業を見つけるための5つのポイントを紹介します。
- (1)業界での実績と安定性を確認する
- (2)幅広い技術分野で選択肢が豊富な企業を選ぶ
- (3)スキルが正当評価される制度があるかチェック
- (4)継続的な成長をサポートする教育制度の充実度
- (5)働きやすい環境整備への取り組み
この5つを押さえれば、キャリア形成に最適な企業選びができます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)業界での実績と安定性を確認する
企業選びの際、業界での実績や安定性を確認することが大切です。
例えばITエンジニア在籍数、取引企業数が多い企業は、多種多様なプロジェクトを選択できる可能性が高まります。また、全国に支社がある企業であれば、事業規模が大きく経営基盤が安定している可能性が高いです。転居の必要が生じても、他の支社へ異動できる可能性があります。
企業としての実績や安定性は、会社を選ぶ上でチェックしておきたい指標のひとつといえるでしょう。
(2)幅広い技術分野で選択肢が豊富な企業を選ぶ
キャリア形成を考える上では、幅広い技術を取り扱う企業を選ぶことが重要です。業務の中で幅広い技術を取り扱うことで、将来の可能性が広がります。
受託開発企業では顧客の要望によって必要なスキルが異なるため、多様な技術が必要となります。また派遣会社に登録して、幅広い職場で働くこともスキルアップに役立つでしょう。
プロジェクトごとに異なる技術に触れる機会は、新たなスキルを身に付けることや得意分野を伸ばすことなどが可能です。
幅広い技術を要する環境は、スキルを磨きながら将来の選択肢を増やすことにもつながるでしょう。
(3)スキルが正当評価される制度があるかチェック
ITエンジニアはスキルが正当に評価される職場を選ぶことが重要です。成果・実力が確実に評価される環境であれば、性別に関係なくキャリアアップが望めます。
例えば保有する資格やスキルに応じて給与基準が上がる仕組みがあると、納得した上で長く働き続けることができます。特に評価基準の見える化は、成長を目指す方向性が明らかになり、不公平な気持ちが軽減するでしょう。
ITエンジニアの成長を認めてもらえる職場であれば、安心してスキルを磨き続けられます。
(4)継続的な成長をサポートする教育制度の充実度
ITエンジニアが企業を選ぶ際、教育制度が整っていることが大切です。
IT業界は技術の進化が速く、学習を止めると市場価値が下がってしまいます。そういった事態を避けるために、学習継続できる環境が必要です。
企業によっては社内研修の開催、eラーニングの提供、専門教育機関との連携などが充実しています。また資格取得支援制度が整っていると、金銭面の負担を気にせず資格取得に挑戦できるでしょう。さらにメンター制度が整っていると、安心して日々の業務を遂行できます。
教育制度の充実度は、ITエンジニアのキャリア構築の土台となります。
(5)働きやすい環境整備への取り組み
誰もが安心してキャリアを継続するためには、ライフイベントや家庭との両立を支える企業の取り組みが欠かせません。産休・育休の取得支援やリモートワーク制度は、柔軟な働き方を実現するための基本的な仕組みです。こうした制度が整っている企業は、長期的なキャリア形成に有利といえます。
さらに、管理職への登用や評価制度の透明性、ダイバーシティ推進プロジェクトなども、働きやすさを判断する重要な指標です。
これらの取り組みが充実している企業を選ぶことで、ライフステージの変化に左右されず、安心して働き続けることができます。
女性エンジニアが活躍できるかは企業の選び方次第!
女性エンジニアは、キャリアの継続やスキルアップの時間確保など、特有の悩みを抱えることがあります。
一方で、リモートワークの普及や専門スキルによるキャリア形成のしやすさ、比較的高い年収など、女性にとって魅力的なメリットも多く存在します。
ITエンジニアに興味がある女性は、ぜひキャリアの選択肢に入れてみてください。
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