SEの業務委託とは?契約の種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

SE(システムエンジニア)としてキャリアを積む中で、「業務委託」という働き方に興味を持つ方が増えています。
会社員とは異なり、より自由で高い収入を目指せる可能性がある一方で、契約形態や注意点を正しく理解しておくことが成功の鍵となります。

本記事では、SEが業務委託で働くとはどういうことか、契約の種類、メリット・デメリット、高単価案件を獲得するためのポイントまで、網羅的に解説します。

目次

  1. SEの業務委託とは?正社員や派遣との違いを解説
  2. SEが知るべき業務委託契約の2つの種類
  3. SEが業務委託で働く5つのメリット
  4. SEが業務委託で働く前に知るべき4つのデメリット
  5. SEの業務委託における年収・単価相場
  6. 業務委託で高単価案件を獲得する4つのポイント
  7. SEが業務委託案件を探す3つの主な方法
  8. まとめ

SEの業務委託とは?正社員や派遣との違いを解説

SEの業務委託とは、企業に雇用されるのではなく、特定の業務を行うために民法上の契約(準委任契約または請負契約)を結ぶ働き方です。
ここでは、正社員・派遣社員と業務委託の違いをわかりやすく整理し、業務委託がどのような位置づけの働き方なのかを解説します。

比較項目 業務委託 正社員 派遣社員

契約形態

業務委託契約

雇用契約

雇用契約

指揮命令権

なし
(契約上の立場は対等)

会社にあり

派遣先企業にあり

報酬

契約に基づく報酬

給与・賞与

給与

福利厚生

なし

あり

あり

労働法の保護

労働基準法の適用外

あり

あり

業務委託は企業と対等な立場で契約する働き方

業務委託契約は、企業と個人事業主(フリーランス)が雇用関係ではなく、業務の遂行を目的として締結する民法上の契約です。

正社員や派遣社員と異なり、企業からの指揮命令を受けず、自分の裁量で業務を進める点が大きな違いです。
業務の進め方やスケジュール管理は自分で決めるため、自由度が高い一方で、期限遵守や品質管理などの自己管理が求められます。

正社員との違い

正社員は、企業と雇用契約を結び、労働基準法によって保護されます。給与は固定給で、賞与や福利厚生が提供される一方、勤務時間や場所、業務内容については会社の指示に従う義務があります。

業務委託の場合、提供した業務や成果物に対して報酬が支払われます。雇用契約ではないため、企業の福利厚生はなく、労働基準法の保護(労働時間・残業規制など)は受けません。

派遣社員との違い

派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令のもとで業務を行います。給与は派遣会社から支払われ、社会保険なども派遣会社で加入します。

業務委託はクライアント企業と直接契約を結び、指揮命令を受けず、自分の裁量で業務を進める点が大きな違いです。

SEが知るべき業務委託契約の2つの種類

業務委託契約には、主に「準委任契約」と「請負契約」の2種類があります。
どちらの契約を結ぶかによって、求められる責任や報酬の考え方が大きく異なるため、その違いを正確に理解しておくことが非常に重要です。

項目 準委任契約 請負契約

目的

業務の遂行

仕事の完成

義務

善管注意義務

成果物の完成義務

報酬の対象

労働力・作業時間

完成した成果物

契約不適合責任

なし

あり

準委任契約とは

準委任契約とは、「特定の業務を遂行する」ことを目的とした契約です。

エンジニアの場合、システムの運用・保守、技術支援などの業務に、定められた期間、技術力を提供します。成果物の完成義務はなく、善良な管理者の注意をもって業務を遂行する義務(善管注意義務)を負います。
報酬は、作業時間や工数に基づいて計算されることが一般的です。

請負契約とは

請負契約とは、「決められた成果物を完成させる」ことを目的とした契約です。

設計書の作成やシステムの開発など、仕様や納期が明確に定められた成果物を完成させ、納品することで報酬が発生します。
契約不適合責任(かつての瑕疵担保責任)を負うため、納品した成果物に不具合があった場合は、修正や損害賠償に応じる義務が生じる可能性があります。

準委任は「作業ベースの契約」、請負は「成果物ベースの契約」と覚えると分かりやすいです。

SEが業務委託で働く5つのメリット

業務委託という働き方は、会社員にはない多くの魅力を持っています。
ここでは、SEが業務委託で働くことで得られる主なメリットを5つ紹介します。

高収入を目指せる

業務委託の最大のメリットの一つは、高収入を目指せる点です。
会社員のように給与が固定されておらず、自身のスキルや経験、交渉次第で高い単価の案件を獲得できます。特に需要の高いスキルを持つエンジニアや、上流工程の経験が豊富なエンジニアは、会社員時代の年収を大きく上回ることも珍しくありません。

働く時間や場所の自由度が高い

業務委託は、働き方の決め方をある程度自分で選べる点が特徴です。指揮命令の関係ではないため、会社員のように勤務時間が細かく指定されることは少なく、案件によってはリモートワークや柔軟な時間帯での稼働が可能なこともあります。

ただし、IT業界の準委任契約では「稼働時間の目安」や「作業場所」が契約で定められているケースも多いため、働き方の自由度は案件ごとに異なる点を理解しておくことが大切です。

案件を選択できる

会社員の場合、担当する業務やプロジェクトを自分で選ぶことは難しいですが、業務委託では、自分のスキルセットやキャリアプランに合った案件を自由に選択できます。
興味のある技術や挑戦したい分野の案件に参画することで、モチベーションを高く保ちながら仕事に取り組めます。

人間関係のストレスが少ない

業務委託は、企業の組織に深く入り込みすぎない働き方のため、社内の派閥や評価制度といった“会社特有の人間関係のストレス”を受けにくい点がメリットです。
一方で、プロジェクトを円滑に進めるためには、チームとのコミュニケーションや情報共有は積極的に行う必要があります。ただ、関わる範囲が業務に限定されるため、会社全体の調整や内部政治に時間を取られにくく、開発に集中しやすい環境がつくれます。

多様な環境での経験が市場価値の向上につながる

業務委託では、案件ごとに異なる企業や開発環境に関わるため、幅広い実務経験を積みやすいという特徴があります。こうした経験の蓄積は、対応できる領域の広さや実績の厚みにつながり、結果として市場価値を高める要素になります。
ただし、新しい技術を現場で教えてもらえるとは限らないため、スキル習得は自身の学習や案件選びが重要です。

SEが業務委託で働く前に知るべき4つのデメリット

多くのメリットがある一方で、業務委託には会社員とは異なる厳しさやリスクも存在します。契約を結ぶ前に、デメリットもしっかりと理解し、対策を考えておくことが重要です。

デメリット 具体的な内容 必要な対策

収入の不安定さ

案件の途切れ、傷病時の保障なし

継続的な営業活動、生活防衛資金の確保

社会保障の自己負担

健康保険・年金の全額負担、福利厚生なし

節税対策、民間の保険への加入検討

事務処理の負担

営業、契約、経理、税務処理を自身で行う

事務処理能力の向上、専門家(税理士等)の活用

偽装請負リスク

指揮命令を受けてしまう可能性

契約内容の確認、労働実態の客観的記録

収入が不安定になる可能性がある

業務委託は、契約が終了すれば次の案件を自分で探さなければならず、収入が途切れるリスクがあります。
また、病気やケガで働けなくなった場合も、会社員のような傷病手当金がないため、収入面のリスク管理が必要です。

社会保険や福利厚生は自己負担になる

業務委託の場合、会社との雇用関係がないため、社会保険料はすべて自己負担となります。
会社員は健康保険と厚生年金の保険料を企業と折半しますが、業務委託では国民健康保険と国民年金を全額自己負担する必要があります。

また、家賃補助や退職金などの会社員向けの福利厚生もありません。ただし、国民健康保険料や国民年金保険料は、確定申告で「社会保険料控除」として控除することができます。

いずれにしても会社員より負担が増えるため、手取り額に大きく影響する点を理解しておく必要があります。

契約や税務処理を自分で行う必要がある

案件を獲得するための営業活動から、契約書の締結、請求書の発行、そして年に一度の確定申告まで、すべて自分で行う必要があります。
特に契約書の内容確認は非常に重要で、不利な条件が含まれていないか、業務範囲や責任の所在が明確になっているかを細かくチェックする法務知識も求められます。

偽装請負のリスクがある

偽装請負とは、契約上は業務委託でありながら、実態としてクライアントから指揮命令を受けている状態を指します。これは労働者派遣法に抵触する可能性があり、企業側の運用によって発生するケースもあります。
偽装請負の状態で働いていると、労働者としての権利が保護されず、トラブルに巻き込まれる可能性があるため注意が必要です。

参考:偽装請負について|東京労働局

SEの業務委託における年収・単価相場

業務委託を検討する上で最も気になるのが、どれくらいの収入が見込めるかという点でしょう。

スキル・経験年数別の単価相場

一般的には、経験が豊富で専門性が高いほど、単価が上がる傾向があります。
エンジニアの単価は、経験年数や専門スキル、担当工程、業界動向によって大きく変動するため、以下はあくまで目安となります。

経験3年未満(ジュニア層):
・月額40〜60万円前後
・主に基本設計・開発・テストなど、比較的参画しやすい案件が中心

経験5年以上(シニア層):
・月額80万円以上の案件が増える
・設計、要件定義、レビューなど、上流工程を任されるケースが多い

月額100万円を超える案件:
・要件定義・アーキテクチャ設計など、プロジェクトの中核を担う役割
・PM/PMOとしてのマネジメント
・クラウド(AWS/GCP/Azure)、データ基盤、AIなどの高度専門スキル
こうした要素を満たすケースで提示されることが多い

このように、スキルセットや担当工程、業界特性によって単価は大きく変わります。
特にクラウド、AI、データ領域などの高需要分野では、より高い単価が期待できます。

職種・案件別の単価相場

担当する職種や技術によっても単価は変わります。

AIや機械学習、データサイエンスといった最先端分野や、AWS/GCPなどのクラウド技術に精通したインフラエンジニアは、高い需要を背景に高単価が期待できます。
また、金融や医療など、高い専門性とセキュリティ知識が求められる業界の案件も、単価が高くなる傾向があります。

業務委託で高単価案件を獲得する4つのポイント

同じ業務委託エンジニアでも、担当できる工程やスキルの幅によって、案件の単価には大きな差が生まれます。
ここでは、より条件の良い高単価案件を獲得するために意識すべき4つのポイントを紹介します。

上流工程の経験を積む

要件定義や基本設計といった上流工程の経験は、高単価案件の獲得に直結します。
単にコーディングを行うだけでなく、顧客の課題をヒアリングし、システム全体の設計を考えられる能力は高く評価されます。現職のうちから、積極的に上流工程に関わる機会を持つことが重要です。

需要の高いスキルを習得する

IT業界のトレンドは非常に速く、需要の高い技術も常に変化しています。
クラウド技術(AWS/Azure/GCP)、コンテナ技術(Docker/Kubernetes)、PythonやGoといったモダンなプログラミング言語、AI・機械学習関連の知識など、市場価値の高いスキルを継続的に学び、実務経験を積むことが単価アップにつながります。

コミュニケーション能力を磨く

業務委託では、クライアントやチームメンバーと円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力が不可欠です。
技術的な内容を分かりやすく説明する能力や、課題を的確にヒアリングする能力は、プロジェクトを成功に導く上で重要なスキルと見なされ、単価交渉においても有利に働きます。

ポートフォリオを充実させる

自身のスキルや実績を客観的に証明するポートフォリオは、営業活動における強力な武器になります。
過去に携わったプロジェクトの概要や、そこで果たした役割、使用した技術などを具体的に記載しましょう。GitHubなどでソースコードを公開することも、技術力を客観的に示す手段として非常に効果的です。

SEが業務委託案件を探す3つの主な方法

フリーランスのSEとして活動を始めるにあたり、どのように案件を探せばよいのでしょうか。
ここでは、代表的な3つの方法を紹介します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。

探し方 メリット デメリット

知人からの紹介

信頼関係がありスムーズ、手数料なし

人脈が必要、常に案件があるとは限らない

クラウドソーシング

手軽に始められる、実績を積める

単価が低い傾向、競争が激しい

フリーランスエージェント

営業代行、高単価案件、契約サポート

手数料がかかる


知人からの紹介(リファラル)

前職の同僚や取引先など、これまでの人脈を通じて仕事を紹介してもらう方法です。

独立したばかりの時期は、こうした紹介が特に心強く、仕事の進め方にも慣れやすいでしょう。
ただ、人脈だけに頼っていると案件の幅が広がりにくかったり、単価の交渉が難しく感じる場面が出てくることもあります。

「そろそろ新しい案件にも挑戦したい」「もっと選択肢を広げたい」と感じ始めたタイミングでは、エージェントなど、ほかの探し方を併用してみるのも一つの方法です。

クラウドソーシングサイトを利用する

クラウドソーシングサイトは、インターネット上で仕事を発注したい企業と受注したい個人を繋ぐプラットフォームです。

比較的小規模な案件や短期の案件が多く、実績作りの第一歩として活用しやすいのが特徴です。
ただし、エージェント経由の案件と比べると単価が低い傾向があり、応募数も多いため競争が激しくなりやすい点には注意が必要です。

フリーランスエージェントを活用する

フリーランス専門のエージェントに登録し、案件を紹介してもらう方法です。

営業活動を代行してくれるため、自分で案件を探す手間が省けるほか、公開されていない高単価案件を紹介してもらえるケースもあります。単価交渉や契約手続きのサポートを受けられる点も大きなメリットで、特に案件の幅を広げたい人にとって心強い存在になります。

なお、エンジニアの専門スキルを活かした案件探しを支援するサービスとして、当社では「エンベスト」という案件紹介サービスを提供しています。
フリーランスとしての働き方や希望条件に寄り添った案件提案を行っているため、エージェント活用を検討している方は、選択肢の一つとして確認してみてください。

まとめ

SEが業務委託で働くことは、高収入や働き方の自由度といったメリットがある一方で、契約・税務・収入管理など、会社員とは異なる責任を自分で負う必要があります。そのため、契約形態の違いやメリット・デメリットを理解し、事前に準備をしておくことが、業務委託SEとして安定して活躍するための第一歩です。

また、業務委託で継続的に案件を獲得するには、単価交渉や契約面で相談できるパートナーの存在も大きな支えになります。

BREXA Technology の「エンベスト」では、希望条件に合った業務委託案件の紹介や契約手続きのサポートなど、SEの方が安心して業務委託を始められる環境を整えています。
「業務委託に挑戦したい」「もっと自分に合った案件を探したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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