半導体エンジニアになるには?きつい・やめとけの真実から年収・将来性・未経験の始め方まで完全ガイド

半導体エンジニアとは、電子機器に内蔵している半導体を設計・開発するエンジニアです。スマートフォンや家電製品など、私たちの生活に欠かせない電子機器には、必ずと言っていいほど半導体が使われており、現代社会を支える重要な部品となっています。今後も技術革新が進む中で、半導体分野の人材需要はさらに高まると予想されます。

一方で、半導体エンジニアからは「やめとけ」といった否定的な意見が聞かれることもあります。新たな職業を目指す場合、ネガティブな側面も事前に理解しておくことが大切です。

この記事では、半導体エンジニアの主な業務内容や役割、年収などの基本知識を紹介します。合わせて必要な資格や未経験から半導体エンジニアになる方法を解説します。

半導体エンジニアに少しでも興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事を読むと分かること】

  • ・半導体エンジニアの業務内容や年収相場
  • ・半導体エンジニアを志す人が絶えない理由
  • ・未経験から半導体エンジニアになる方法

目次

  1. 半導体エンジニアの主な業務内容とは
  2. 半導体エンジニアの役割とは
  3. 半導体エンジニアの年収・給料相場
  4. 「半導体エンジニアはやめとけ」と言われる理由とは?
  5. それでも半導体エンジニアを志す人が絶えないのはなぜ?
  6. 半導体エンジニアに必要なスキル・資格は?
  7. 半導体エンジニアはこんな人が向いている!性格・適性の特徴
  8. 未経験から半導体エンジニアになるには?
  9. 半導体エンジニアの将来性は?
  10. 未経験から半導体エンジニアを目指すならBREXA Technologyへ

半導体エンジニアの主な業務内容とは

そもそも半導体とは、電気をよく通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質や材料のことです。半導体エンジニアは、この半導体を使った製品の設計・開発・製造・品質管理などを担当する技術職です。

半導体エンジニアが担う設計業務は、電子部品を小さなチップに詰め込んだ「集積回路」の設計・開発です。数mm程度の小型チップに複雑な機能を詰め込むことで、省スペースで複雑な処理を実現しています。こういった繊細な部品を設計するためには、高度な専門知識が必要です。

半導体エンジニアは、設計・開発業務に加えて、品質管理にも深く関わります。製品が安定して動作し、長期間にわたって使用できるかを確認するために、テストや信頼性試験、出荷前の検査などが実施されます。

通常、出荷の可否は品質保証部門や検査担当者が最終判断を行いますが、技術的な判断が求められるケースや、新製品の初回出荷時などには、半導体エンジニアが確認作業に関与することもあります。

半導体エンジニアの役割とは

半導体が世に出るまでには、設計・製造・品質管理など、さまざまな工程と担当者が関わります。その中でも半導体エンジニアは、専門的な知識を活かして、技術的な判断や調整を行う重要な役割を担っています。

例えば半導体に設計上の課題や不具合が発生した場合には、製品を解析する必要があります。半導体エンジニアは解析の方針を立て、関係部署と連携して対応を進めます。また、製造工程では条件の最適化を図り、安定した品質と生産性を確保するための技術支援を行います。

このように、半導体エンジニアは複数の部門と連携しながら、製品の完成に向けて技術面から支える重要なポジションです。

半導体エンジニアの年収・給料相場

厚生労働省の職業情報サイトによると、半導体エンジニアの平均年収は755.2万円です。日本の平均年収は461万円であるため、半導体エンジニアは平均より約300万円も年収が高くなっています。

参考:半導体技術者|厚生労働省「jobtag」職業情報提供サイト
参考:II. 1年を通じて勤務した給与所得者, 1平均給与|国税庁

年齢・経験別の年収モデル

さらに半導体エンジニアの年収について、年齢別にまとめました。

年代 半導体エンジニアの年収
20代 455.90万円
30代 678.45万円
40代 870.36万円
参考:半導体技術者|厚生労働省「jobtag」職業情報提供サイト

表を見ると、20代から40代に向けて大幅に年収が上がっていることが分かります。年齢が上がるにつれて経験値も上がるため、高年収が期待できます。

さらに経験年数別の年収は、以下の通りです。※月収に年間賞与(4ヶ月分)を加えて算出

経験年数 半導体エンジニアの年収
0年 449.28万円
1~4年 503.84万円
5~9年 810.08万円
10~14年 746.72万円
15年以上 733.12万円
参考:半導体技術者|厚生労働省「jobtag」職業情報提供サイト

表を見ると、経験年数に比例して年収は徐々に増えていますが、5〜9年で一度ピークを迎えているように見えます。年収をさらに上げるためには、10年目以降はマネジメント職へのキャリアアップを目指すことが重要です。

「半導体エンジニアはやめとけ」と言われる理由とは?

半導体エンジニアという職業には、高年収や社会的意義のあるやりがいといったポジティブな面が多くある一方で、「やめとけ」「きつい」といったネガティブな意見も一部で見られます。

ここからは、なぜそのような意見が出てくるのか、その主な理由について解説します。

長時間労働で残業が多い

半導体エンジニアの業務では、厳しい納期が求められることが多く、残業や休日出勤が発生しやすい環境にあります。

製品に不具合が出れば即座に対応を求められることもあり、開発スケジュールに追われるプレッシャーから、長時間労働に繋がりやすいのが実情です。

また、設計の仕様変更や開発工程の見直しが頻繁に起こるため、その都度対応が必要となり、結果的に稼働時間が増えるケースもあります。特に繁忙期には深夜までの作業が続くことも珍しくありません。

プレッシャーが大きい

半導体はスマートフォンや自動車、医療機器など、多くの精密な製品に搭載される重要部品です。

そのため、わずかな設計ミスや工程ミスが、大きな損失やリコールにつながる恐れがあり、エンジニアには常に高い精度と責任が求められます。

「一つの判断ミスが数千万円規模の損害に直結する」と言われるような現場もあり、精神的な負担が大きくなりがちです。加えて、技術革新のスピードも速く、常に新しい知識を習得する必要があるため、学習と業務の両立が求められます。

それでも半導体エンジニアを志す人が絶えないのはなぜ?

半導体エンジニアはネガティブな意見がある一方で、理系では根強く人気のある職業です。ここからは半導体エンジニアを志す人が絶えない理由について、以下の3点から解説します。

  • ・社会インフラを支える使命感
  • ・高収入
  • ・安定した需要による雇用

1点ずつ詳しく確認していきましょう。

社会インフラを支える使命感

半導体エンジニアは社会インフラを支える使命感がある職業です。半導体は、スマートフォンやパソコン、家電製品、医療機器など、私たちの生活に欠かせないデジタル機器の中核を担う重要な部品です。現代のデジタル社会において、半導体が果たす役割は非常に大きく、それを設計・開発する半導体エンジニアもまた、社会を支える重要な存在といえるでしょう。

さらに、半導体は生活家電だけでなく、社会インフラにも広く活用されています。たとえば、自動車の制御システムや太陽光発電設備、そして高速通信を支える5G基地局などにも搭載されており、私たちの暮らしの安全性や利便性を高めています。

こうした背景から、半導体エンジニアは「技術」と「知識」で社会を支える、非常にやりがいのある職業です。目に見えないところで人々の生活を支えるという使命感を持って働けるのも、この仕事の魅力のひとつです。

高収入

半導体エンジニアは高収入が見込める魅力的な職業であり、新しいキャリアを考える上で収入の高さは重要な要素です。

実際に厚生労働省が提供している職業情報サイトで、半導体エンジニアと他のエンジニア職種の平均年収を比較してみました。

職種 平均年収
半導体エンジニア 755.2万円
インフラエンジニア(基盤システム) 752.6万円
スマホアプリエンジニア(ソフトウェア開発) 574.1万円
CADエンジニア(オペレーター) 453.8万円
参考:厚生労働省「jobtag」職業情報提供サイト

エンジニア職は全体的に年収が高い傾向がありますが、その中でも半導体エンジニアは特に高い水準の年収を得ているケースが多く見られます。
高度な専門知識や技術力が求められる分、企業からの評価も高く、報酬に反映されやすい職種といえるでしょう。

安定した需要による雇用

半導体エンジニアは安定した需要のある職業です。あらゆる電子機器に搭載される半導体は、需要が拡大しているためです。

エンジニアリングサービスを手掛ける「クエストグローバル・ジャパン」の説明会によると、日系の半導体企業で半導体エンジニアは8万5000人が従事しています。その一方で、2万9500人もの人手が不足していると発表しました。

参考:半導体エンジニアの不足は3万人に、複雑化する開発に対応するには|MONOist

半導体の需要は年々高まっており、それに伴って高度な技術を持つエンジニアの不足が課題となっています。
このような状況の中で、半導体分野の専門技術を身につけたエンジニアは、今後も安定して仕事を得られる可能性が高いといえるでしょう。

半導体エンジニアに必要なスキル・資格は?

ここまで半導体エンジニアの職業の概要を把握してきた中で、「私に適性があるのだろうか」と気になっている方がいるのではないでしょうか。
半導体エンジニアに必要とされるスキルや知識は、以下が一例です。

  • ・電子回路の知識
  • ・物理の知識
  • ・プログラミングの知識
  • ・英語力
  • ・コミュニケーション能力

電子回路や物理の知識はもちろん、ポジションによってはプログラミングの知識を要することがあります。さらに外資系の企業であれば、英語を使う機会が多いです。英語での資料読解や会議での発言が求められることもあります。

また半導体エンジニアに就くために、取得必須の資格はありません。ただし以下のような資格を取得すれば業務で役立つ知識が身に付くため、積極的に取得しましょう。

  • ・半導体製品製造技能士
  • ・半導体技術者検定
  • ・ディジタル技術検定

半導体エンジニアはこんな人が向いている!性格・適性の特徴

半導体エンジニアは、ものづくりに対する適性がある方に向いている職種です。
製品が完成するまでの過程には多くの工程があり、ものづくりへの情熱や知的好奇心がある方であれば、そのプロセス自体を楽しみながら取り組むことができます。

また、粘り強く課題に向き合える姿勢や、トラブルに冷静に対応できる力も重要です。半導体の設計プロセスは非常に複雑で、試行錯誤を繰り返しながら製品を完成させていきます。予期せぬトラブルが発生することもありますが、落ち着いて対処できる人ほど、成果につながりやすい傾向があります。

未経験から半導体エンジニアになるには?

半導体エンジニアは一般的に理系学部で専門的に学んできた方が多いです。しかし文系出身者でも、基本から徹底的に学ぶことでチャンスはあります。

ここからは未経験から半導体エンジニアになるにはどうすれば良いのかを解説します。

未経験から目指すルート(学歴・職歴別)

未経験から半導体エンジニアを目指す場合、高卒の方にとってはややハードルが高いのが現実です。まずは製造や保守といった現場業務に携わり、実務経験を積むことが第一歩となります。
現場での経験を通じて、半導体に関する基礎的な理解を深めながら、電子回路や物理などの専門知識を並行して学ぶことが重要です。こうした知識の習得が、次のステップへの土台となります。

未経験であっても大卒の場合、応募可能な求人が増える可能性があります。未経験歓迎の技術職の求人は、大卒以上を条件にしていることが多いためです。近年では、半導体エンジニアの人材不足を背景に、ポテンシャル採用を行う企業も増えています。教育制度が整っている企業を選ぶと、着実にスキルアップができて安心です。

さらに、未経験者が異業種から転職する場合、これまでの職種経験と半導体エンジニアとの共通点をアピールすることが重要です。例えばコミュニケーション能力、論理的思考力、マネジメント経験などをアピールできると採用につながりやすいです。それだけでなく、電子回路や物理、プログラミングなど高度な専門知識の習得も必要です。

BREXA Technologyの研修・資格支援制度

半導体エンジニアを目指す場合、まずは派遣社員として現場を経験した後に、正社員雇用を狙う、技術職に挑戦するなどしてステップアップするのもひとつの手です。派遣社員は正社員と比べて入社までのハードルが低く、ファーストステップにおすすめできます。

エンジニア派遣に特化した派遣会社「BREXA Technology」では、技術研修を開催しています。半導体や機械に特化した研修施設もあり、現場に近い環境で学ぶことが可能です。
例えば「半導体業界基礎」「半導体製造装置基礎」といった専門的なカリキュラムで学べるので、未経験の方でも安心してチャレンジできる制度が整っています。

半導体エンジニアの将来性は?

半導体エンジニアを目指す際は、将来性の高さは事前に確認しておきたいポイントです。成長性や人材需要が高い分野であれば、長く半導体エンジニアとして活躍することが期待できます。

現在の半導体業界は急速な成長を続けており、AI技術の発展やIoTの普及により、さらなる拡大が予想されています。政府の支援策も充実しており、長期的なキャリア形成において非常に有望な分野と言えるでしょう。ここからは半導体エンジニアの将来性について、以下の2点から解説します。

  • 業界全体の成長性と技術革新
  • 日本における人材需要の見通し

1点ずつ詳しく見ていきましょう。

業界全体の成長性と技術革新

2025年の世界の半導体市場は、前年比11.2%増の7,009億ドルと大幅に伸びています。2024年の19.7%増に続き、2年連続2桁成長を記録しています。

参考:世界半導体市場は2025年も2桁成長の予測も、製品により明暗分かれる|日本貿易振興機構

半導体は成長が期待できる産業と密接に関係しているため、需要が高い分野とされています。スマートフォンやパソコン、一般的な家電製品など私たちの日常に欠かせない製品だけでなく、IoT家電や自動運転技術などの最新技術にも使われています。

日本における人材需要の見通し

半導体の需要の高まりは、世界規模だけでなく日本国内でも期待されています。2025年の日本の半導体市場は、前年比1.4%増の7兆1,764億円と大規模となっています。

参考:世界半導体市場は2025年も2桁成長の予測も、製品により明暗分かれる|日本貿易振興機構

さらに政府は2024年11月、「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に基づき、半導体・AI分野に対して、2030年までに10兆円以上の支援を行うことを発表しています。

参考:AI・半導体産業基盤強化フレーム|経済産業省

つまり今後は、より半導体市場規模の拡大が期待され、半導体エンジニアの人材需要の大幅な伸びが期待できます。

未経験から半導体エンジニアを目指すならBREXA Technologyへ

半導体エンジニアは、半導体製品の完成に向けて、幅広い専門知識を活かしながら技術的な判断を行う重要な役割を担っています。電子回路や物理の高度な知識に加え、企業や担当するポジションによっては、プログラミングスキルや英語力なども求められることがあります。

未経験からこの職種を目指す場合は、「未経験歓迎」の求人を探すことや、教育制度が整っている環境を選ぶことがポイントです。半導体エンジニアに興味を持った方は、ぜひ新たなキャリアの選択肢として検討してみてください。

半導体エンジニアとしてキャリアアップを目指す方は、仕事内容だけでなく、評価制度や働く環境にも注目することが大切です。BREXA Technologyでは、エンジニア向けに明確な評価制度を導入しており、資格取得や技術力がしっかりと給与に反映される仕組みが整っています。

「どんな求人があるのか知りたい」「自分に合った働き方を見つけたい」といった方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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