商品企画7つ道具とは?企画を成功に導く代表的な方法を紹介

ものづくりは、製造や設計の工程より前に位置する「企画」からはじまります。 企画工程は、顧客が欲しいと思うような製品・サービスのコンセプトを決める段階です。 同時に、現実的に製造が可能な商品を考えなければならず、マーケティングと生産の両方を意識する必要があります。 ここでぜひとも活用したいのが「商品企画7つ道具」です。 今回は、商品企画7つ道具にふくまれる7つの技法について、それぞれの内容やつかうべきポイントについて解説します。

目次

  1. 商品企画7つ道具は顧客ニーズが重要
  2. アンケート調査
  3. ポジショニング分析
  4. アイデア発想法
  5. アイデア選択法
  6. コンジョイント分析
  7. 品質表
  8. 商品企画7つ道具で良質な企画を設計へつなごう

商品企画7つ道具は顧客ニーズが重要

商品企画7つ道具とは、新製品や新サービスを開発する際、顧客のニーズをもとに最適な企画をおこなうための一連の手法です。 商品企画は顧客が求める商品を企画し、それを設計に落とし込める内容に仕上げる工程といえます。 そのため、一般的に次の流れに沿っていくことになるでしょう。

  1. 顧客ニーズの調査
  2. 企画アイデアの発想
  3. 企画の最適化
  4. 設計工程へ企画の連携

この流れのなかでは、さまざまな困難やボトルネックが存在します。これに対し、手探りで解決策を見つけながら企画を進めるのは困難です。 そこで、各ステップにおける考え方ややり方のガイドとして、商品企画7つ道具が役に立ちます。

商品企画7つ道具は時代の変化によって生まれた

日本の製造業は戦後の経済成長期を支え、その当時から90年代ごろまでは、生産することを重視する「生産者主義(プロダクトアウト)」の考え方が主流でした。 「つくれば売れる」といわれる時代だったため、商品コンセプトの優劣よりも、不良が出ないことや品質の良さが重要だったのです。 こうした背景のなかで、品質管理のための定量分析ツール群「QC7つ道具」が生まれ、続いて言語データを用いた定性分析ツール群「新QC7つ道具」が生まれました。

関連記事:「QC7つ道具」と「新QC7つ道具」は何が違うの?|「新QC&QC7つ道具」基本のキ【第1回】

さらに時代が進み、製品の価格や品質だけでは差別化が難しくなる「製品のコモディティ化」という現象が起きはじめます。これにともない、顧客が求めるものを重視する「消費者主義(マーケットイン)」が主流となり、現在にいたります。 そのため、いまでは設計や製造の品質と同等かそれ以上に、企画の重要性が高まっています。これにこたえるように商品企画7つ道具が生まれたのです。

それでは、商品企画7つ道具にふくまれる7つの技法についてひとつずつ解説していきます。

インタビュー調査

インタビュー調査とは、その名の通りインタビューによって必要な情報を得る調査です。主にターゲットとなる顧客層を対象にさまざまなことを質問し、それに対する意見・行動・態度などを情報として集めます。 情報の種類は、顧客の購買行動や商品への考え方、ペルソナ(年齢や嗜好、ライフスタイルなどの属性)などさまざまです。

インタビュー調査の方法は2種類あり、グループインタビューとデプスインタビューが使われます。

グループインタビューは、調査テーマに関心の深い人を5~8人ほど集め、司会者が参加者同士を会話させる形式です。複数人の相互作用で活発な意見が起きやすく、一度のインタビューで多くの人の情報を集められるメリットがあります。

デプスインタビューは、インタビュアーと調査対象者が1対1で面談し、質問と回答が繰り返される形式です。ひとりに対してじっくり時間をとるため、詳細な情報を集めやすく、ほかの人の発言に左右されない意見を聞きやすいメリットがあります。

いずれも対象者の顕在化したニーズだけでなく、対象者自身も認識していなかった潜在的なニーズを明らかにすることができます。

アンケート調査

アンケート調査は、質問に対して「はい」 か 「いいえ」 で答えられるもの、あるいは特定の選択肢から回答を選ぶタイプのアンケートを活用した調査です。 インタビュー調査は言語データを集める定性情報である一方、アンケート調査は人数や割合などの数値データを集める定量調査であるといえます。

ウェブサイト上でアンケートを実施したり、試供品を提供するかわりにその場でアンケートを受けてもらうなど、工夫次第でアプローチはさまざまです。

インタビュー調査とアンケート調査は組み合わせると効果的であり、得られた調査結果は今後のマーケティング施策や商品開発を進めるうえでの基礎となります。

ポジショニング分析

ボジショニング分析は、インタビュー調査やアンケート調査で判明した重要な要素をつかって、新製品の市場における位置づけ(ポジショニング)を決める手法です。

やり方は、まず顧客にとって重要と思われるふたつの要素を選び、縦軸と横軸を引いた分布図(ポジショニングマップ)をつくるところからはじめます。 続いてポジショニングマップのなかで、競合他社や自社の製品・サービスを配置し、市場内のさまざまな情報を見いだします。

たとえば、軸をはさんで対極にいる企業や製品同士は、明確な差別化ができていることがわかります。また、ポジショニングマップ上で近くに位置する企業や製品同士は、競合しやすいといえるでしょう。

このようにマップの作成と情報整理を進め、新製品をどのポジションで売り出すのかを決めるのです。

アイデア発想法

アイデア発想法は、商品のコンセプトのアイデアを発想するために活用する手法です。 ひとことでアイデア発想法といっても、多岐にわたる種類が存在します。

たとえば、自社の技術や経営資源、強みをベースにアイデアを考える「シーズ発想法」であったり、先人の発想を流用できないか検討する「TRIZ(トリーズ)」などが挙げられます。 ほかにも発想法は豊富にあるため、複数つかってみたり、場合によってつかい分けると良いでしょう。

アイデア選択法

アイデア選択法は、すでに発想したアイデアのなかから、現実的に企画へ落とし込めそうなものを選択するための手法です。 自由度の高いアイデア発想とは違い、アイデア選択は綿密な評価が必要となります。

代表的な評価方法としては、「重み付け評価法」が挙げられます。 この手法では新QC7つ道具のマトリックス図法を活用し、ポジショニング分析で挙がった要素を「重み」としてアイデアを評価します。

まずは対象となるアイデア単体を1~5点、あるいは1~10点などで評価します。ここでは、アンケートなどで顧客に評価してもらうと良いでしょう。 そして、重みは設定する者の価値観によって異なるので、複数の人を対象にアンケートなどを行うことで算出します。 最後は点数付けしたアイデアを算出した重みでかけていき、点数の高いアイデアが顧客が求める商品に必要なものだとわかるのです。

重み付け評価法の例
アイデア 複雑なデザイン 使いやすい 総合評価
重み:0.3 重み:0.45

A

3

6

(3×0.3)+(6×0.45)=3.6

B

5

7

(5×0.3)+(7×0.45)=4.65

C

8

4

(8×0.3)+(4×0.45)=4.2

コンジョイント分析

コンジョイント分析は、新商品に搭載する要素の組み合わせを最適化するための手法です。

商品には、機能の種類をあらわす「要因」と、要因の具体的な内容である「水準」が存在します。 テレビでたとえると、「画面サイズ」という機能が「要因」であるのに対し、「24インチ」「32インチ」といった内容が水準です。

これを踏まえ、顧容は要因と水準の組み合わせを無意識のうちに評価し、商品を購入することがわかっています。 そのため、コンジョイント分析によって、もっとも顧客が選びやすい組み合わせを探し、最適な商品企画を決定することが可能です。

関連記事:コンジョイント分析とは?活用方法ややり方について解説

品質表

品質表は、顧容が求める機能(要求品質)と、製品に技術的・工学的に搭載できる機能(品質特性)をマトリックスで整理する図表です。

品質表は、企画工程で重要となる品質機能展開(QFD)という管理手法の鍵となるツールであり、同時に次の設計工程バトンを渡すためのドキュメントでもあります。

関連記事:品質機能展開(QFD)は顧客ニーズをとらえた製品開発に必要な手法

商品企画7つ道具で良質な企画を設計へつなごう

設計や製造の品質だけでなく、企画の品質が問われるようになったいま、商品企画7つ道具の重要性は高まっています。 商品企画のなかで各道具をつかうべきタイミングは次のようにまとめられます。

手法 目的

インタビュー調査

顧客ニーズの調査

アンケート調査

顧客ニーズの調査

ポジショニング分析

顧客ニーズの調査

アイデア発想法

企画アイデアの発想

アイデア選択法

企画アイデアの発想

コンジョイント分析

企画の最適化

品質表

設計工程へ企画の連携

企画のもととなる顧客ニーズを拾いあげ、ニーズを満たす製品設計のコンセプトを完成させるまで、すべてが必要なステップです。 商品企画7つ道具を有効に活用し、ねらったターゲットへ訴求できる良質な企画を次の設計工程へとつなぎましょう。

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